【読】 まだまだ、したいことばかり (岸本葉子)
岸本葉子のエッセイ集。2007年8月に最初に出たそうだから、40代半ばのエッセイ、ガンを克服して、「さて、・・・」と思ったときに、いろいろと手を出していった記録ですね。
経歴を見ると、着実にステップアップしているように見えるけど、実はいろいろと思い込み、失敗?の連続で今があるってのは、なぜかホッとしますね。
その中でも「『痛く』ない年のとり方」は、なるほど・・・と。曰く、「口角を上げる」「あごを引く」「眉間にしわを寄せない」と言った表情、「人の話はゆっくりうなすく」「ものの受け渡しは両手で」「会釈は立ち止まって」というしぐさ、そして「若いコのまねをしない」「語尾は伸ばさない」「声のボリュームをTPOに応じて使い分ける」といった話し方。外形ばかりじゃん、と言うなかれ。心を云々することよりも、まずは外から入る方が楽だし、自ずと心もついてくるというのだ。今日から実践できますね。
文庫本で3,4ページ、長くても6ページ。ちょっと長めのブログの感じで読み進められる。
例によってびっくりするのは彼女の記憶力。いろいろな場所をまるで写真でも撮ったように描写し、いろいろな会話をまるで録音していたがごとく再現する(もちろん、多少の記憶違い、脚色はあるのだろうけど。)、このあたりが、エッセイストとしての素養なのだろうな。
実は、岸本葉子さんは、おいらの中学の一年後輩。エッセイを読んでいても、一年後輩の下田昌子くんのお話を聞いているような錯覚にとらわれる。最後にお会いしたのは、彼女が最初の著書「クリスタルはきらいよ」を上梓したときであるが、ネットで拝見する「近影」もその当時と、いや、中学生時代と殆ど変わりがないように見える。
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