【読】よい旅を、アジア (岸本葉子)
この本は96年のものだが、もともとは91年に出た「わたしの旅はアジアから」と題した単行本のリメイク。91年というと、著者が丁度物書きとして活動を始めたところだろうか。
中国、台湾、ソウル、チベット、シンガポール、マレーシア、香港、インドと旅した紀行文である。特に中国は、北京への留学中の「国内旅行」が多い。「時間はあるけど、金はない」学生らしい旅行で、バスや船に何日も揺られての旅。バスに乗るところまでは克明なのに、多分、途中で、何も書くことがなくなり、あっさり目的地についてしまうところなどご愛敬。
まあ、珍道中が多いのだけど、ところどころで文化論に少しだけ踏み込んでいる。大上段に振りかぶるのではない、おそるおそる加減が好ましい。
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