【劇】 巣鴨四丁目落語会 (立川志の輔)
今年3回目の志の輔さんである。
今回は、たまたま祝日に当たってて、昼間っから。巣鴨・地蔵通りをブラブラしながら小屋へ向かう。
前座その1は七番弟子の志の麿さんの「たらちね」。言葉遣いが馬鹿丁寧な嫁さんのお話。おいら的には「あーら、わが君」はもう少し頭のさっきっぽから素っ頓狂な声を出してもらいたい気がしました。これは、高校の落研の先輩の影響かも。
で、もうひとり、前座その2は六番弟子の志の太郎さん。開口一番「今日は『目黒のさんま』をやります。」ってんで、昨年の気仙沼の復興寄席で、突然、それまで一度もやったことのない目黒のさんまを、しかも7分であらすじを・・・、と言われた、ってのが枕。
で、志の輔さん登場。
天気のいい中。今日は昼席はとっとと終わらせて、巣鴨を歩いてください。昨年のこのときは台風直撃の予報で中止にした。朝から野々村議員のニュースで・・・。
まずは、前座その2の志の太郎さんに『公開ダメ出し』。武家社会の上下関係を言うために「片仮名のトの字に一の引きようで上になったり下になったり」という狂歌?を使ったんですが、その「上」「下」のアクセントがおかしいってところから。「あいつは、埼玉の出身なんですが、なんであんな・・・。自分も富山で、大学出て最初に劇団に入って、みっちり直された。少なくとも、間違えたら、『あ、今、間違えたな』と分かるくらいにはなってる。」と手厳しい。さらに「あらすじじゃないってのなら、お城に帰ったお殿様が、何かにつけて、目黒だ、サンマだとなるところを膨らますから面白いのに・・・」と、構成まで。で、「もう、そんなこんなで、自分の落語どころじゃないんです。」と。
目黒の秋刀魚と言えば、目黒のSUN祭りに行ってきました。
秋刀魚の焼き方は上手になったけど、Tシャツにジーパンは脂でギトギト、洗ってもダメ。
気仙沼と言えば、2年続けてやったのだけど、会場が耐震問題で立て直しになり。糸井さんからは屋外でどうだ、という話があったが、かつて桟橋でやった経験から、丁重にお断りした。ナベサダさんがジャズをやる、ってことになりかけたのだけど、ノーギャラでも、音響を揃えると1000万。今年はなし。
で、お話は「茶の湯」。これは、お話の面白さよりも、青黄粉に椋の皮の得体のしれない飲み物を口にするご隠居、定吉、そして、家作の人たちの表情を愉しむお芝居。
小さな小屋だからこそ、口に含んで目をむいて、とにかく飲み込もうとしてもがく様子の楽しさが伝わってきます。パルコでやっても受けないだろうなぁ。
中入り後、松永鉄九郎さん登場。「長唄教室」
三味線には、『細棹』『中棹』『太棹』とありまして、自分の細棹は長唄や端唄、中棹 は 民謡、太棹は津軽三味線とか、ツガルジャミセンとか、つがる・・・。それしかないんかい(笑)
弾き方にも「うつ」「すくう」(いずれも撥)、「はじく」(左手の指で棹の弦を)がありまして、続けて弾くとチンチロリンと虫の音に・・・。思わず拍手。
そして、「幕三重」という、歌舞伎の舞台の場面転換のBGMとして演奏される(したがって、目立たないけど、テクニック的には難しい)をご披露。
三味線のテクニックは当たり前として、ちゃんとそれまでの落語家さんの話から拾ってくるあたり、そんじょそこらのお笑いの人よりも場馴れしてますね。
そして志の輔さん登場。
「秋分の日ってのは、毎年9月23日かと思ったらそうじゃないんですね。閏年は22日だとか。」(これ、実は、たまたま、この100年ほどはそうなってるだけで、決め方は別。アンケートに書いておきました。そうしたら・・・)
で、お話は「五貫裁き」。こちらは、さて、この後はどうなるの・・・というストーリーの面白さで引っ張っていく。
サゲは、大家さんは亡くなり、八五郎の八百屋もほどなくつぶれる。質屋の「徳力や」、改心して、商売っけがなくなっちゃって、これまたつぶれちゃいました・・・ってところ。
ところが、実際は、WIKIによれば、この徳力屋、つぶれるどころか、今でも徳力本店として金の売買なんぞをやってるのですよ。
強欲な質屋として描かれている徳力屋と徳力本店を別物とする配慮なのか、「改心して今に続いている」じゃ、徳力本店のCMみたいだからなのか分かりませんが、ここのところは、また、機会があったら伺ってみたいところ。
観劇日:2014年9月23日
小屋 : 巣鴨・Studio FOUR
木戸銭:4000円
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