【劇】 みわたすかぎりのセカイ-The Mortuary- (劇団Cooch)
初めての劇団、初めての小屋。今年はこういうのが多いです。
タイトルのmortuaryでのは遺体安置所のことだそうな。
「ショッピングモールの崩壊事故によってうまれた、未だ身元の解らないままの男女6体の遺体。
遺体安置所には、様々な人々が自分のパートナーではないかと確認にやってくる。
待合室に集まった老若男女は9人。
顔も身体も潰れ原型をとどめていない遺体を前に、9人は不思議な親近感と絶望を共に手にしてゆく。
しかし、別々の二人が一つの遺体を自分のパートナーだと主張した事をキッカケに、悲しみのみで敷き詰められていたはずの待合室は、やがて全く別の景色を生み出してゆくーー。」(劇団WEBサイトより)
まさにその通りなのですよ。
遺体安置所での遺族たちのやりとり、ショッピングモールで事故にあった6人のやりとり、そして、それぞれのパートナーとのやりとり。時間と空間が行ったり来たりしながら話は進んだり、戻ったり。
舞台両袖には縦長のスクリーンが置かれ、各場ごとのタイトルが出たほか、具体上のやりとりが行われている現場が「地図」で投影されてる。
最初から、あり得ないやりとりが、あり得ないテンションで続く。いかに、転職初日で慣れてないとはいえ、遺体安置所の職員がそんなこと言うか?とかに、リアルに見えて、実際の動きがとてつもなく大げさで「なんだよこれ・・・」的な演出。
正直言って、112分の上演時間耐えられないだろう・・・、と途中で席を立ちたかったのだけど、客席が狭くて、動くとかなり迷惑なので、我慢。6組6様のエピソードが積みか去っていく苦痛の前半。新人職員のプライベートも加わり、さらに、死んだ男(=幽霊)の姿がその職員だけには見えるという、まあ、ドリフみたいなドタバタが遺族相手に繰り広げられて、不謹慎で・・・。
だが、しかし、but、・・・・。
思いもよらぬ仕掛けがなされていたのですわ。そのことに全く気付かず、いやーーな感じで見続けていたのに、その仕掛けの種明かしがされたときに、それまでの人間関係の描写のおかしさ、オーバーアクションの演技、すべてが「なるほど、そうだったのか、やられた・・・」となり、そして、不覚にもウルっ・・・。
ああああああ、書きたい、でも書いたらいけない。あの人と、あの人と、あの人に観劇を進めたい、でも、その理由を言ったら、ネタばれになっちゃう。
すごい芝居でした。
途中の種明かしから、両袖のスクリーンが違う使われ方をした。それは、ある意味邪魔じゃないか・・・と思ったのだけど、この劇団、ひとつの題材を「小説、漫画、映画、演劇、音楽」といった異なる手法で表現していく集団なのだそうな。なるほど、それでか・・・。
ちょいと目が離せないぞ。
# ああ、それにしても、勧めたい・・・。
観劇日:2014年10月17日
小屋 :中野・劇場HOPE
木戸銭:3600円
« 【劇】 戯曲冒険小説 (劇団レクラム舎) | トップページ | NEW減量日記94 »
コメント