【劇】 小指の思い出 (東京芸術劇場)
「小指の思い出」、おいら達の世代には、伊東ゆかりのヒット曲。それと、もうひとつ、夢の遊眠社の懐かしいお芝居。東京芸術劇場の野田作品リバイバル公演の第三弾(第一弾「農業少女」、第二弾「障子の国のティンカーベル」)として上演されるとのことで、千秋楽のチケットをゲット。大型台風19号が近づいてくる中、池袋まで行ってきました。
「車にわざとぶつかって、金銭をせしめる「当たり屋」の赤木圭一郎は、場外馬券場のある四つ辻でカモを探している時に、同業の粕羽聖子と出会う。彼女は、真実(まこと)の実のかわりに、不実の実を売るという口実で人を呼び出す。それは、子どもの時間が取り戻せる白い実だ。
一転、舞台は中世ニュールンベルグの冬。粕羽正月、六月、八月の3人の少年が妄想のストーブに薪をくべている。火が消えたら、自分たちも消えると信じているからだ。彼らは、貴族の馬車にむかって、当り屋をしている。
粕羽聖子は、旧約聖書のアタリヤの一族を例にとって、自分たちは妄想の一族であるという。アルプスから凧にのって、魔女狩りの季節を逃れるのだと語るが…」(公演WEBサイトより。)
野田さん得意のふたつの時間と空間を自在に行きかうお芝居が、膨大な言葉(言葉遊び)と肉体で積み上げられていく・・・、と思ったらそうじゃなかったんですよ。
開演前、舞台の上には、何やら大きなものに白い布がかぶせられている。客席にはちょっと怪しげなおっさんが、メロディーパイプを振り回しながら歩いている。意味わからない。舞台上でも、役者さんがウロウロ。袖も丸見え。でも、まだ始まってないのよね。この時点で気分はドンドン盛り上がる。同じ列のセンター上手にはクドカンもいるし。(後ろのカップルが、いつまでも世間話をしているのを除けばね。)
で、ようやく始まる。白い布が取り払われると、そこには自動車(多分ホンモノ)が。その屋根に、さっきの怪しげなおっさんが乗って、大きなハンマーでガンガン殴る。舞台奥の壁には、説明が投影される。そして、生バンドも。
うーん、何もかも大げさすぎて、入り込めない。そんな大がかりな舞台仕立てって必要なのか?(いや、その車が、突然場外馬券売り場になったり・・・て、シンプルと言えばシンブルなんだけど。)
役者さんはピンマイクを付けていて、そのため、K列で観てても、誰のせりふなのか判らない。それと、残念ながら膨大なセリフがうまく喋れていない人もいるようで・・・。
遊眠社だと、役者さんが識別できるけど、今回は「前髪クネ男」と「孤独のグルメ」くらいしか知らなくて、見分けがつかず、時間/空間が変わったときに、誰が誰だか判らなくなっちゃう(これは、オイラの準備不足のせいだけど。)。粕羽聖子も役者さんがどうやって女性に変身しているか、もともとの姿を知らないし、粕羽3兄弟も、それぞれの役者さんのもともとの個性(声とか演技とか)を知った上での観劇とは、理解度が違うので・・・。
念のため、ネットで拾ってきた1986年の再演のときの役者さんと今日の役者さんを書いてみる。(自分が見たのは1983年の初演だから、少し違っているのかもしれない。)
赤木圭一郎:上杉祥三→勝地涼
粕羽聖子:野田秀樹→飴屋法水
当たり屋文佐衛門/メジロムサシ公爵:段田安則→松重豊
粕羽八月:円城寺あや→青柳いづみ
粕羽正月:山下容里枝→川崎ゆり子
粕羽六月:竹下明子→伊東茄那
あずさ刑事/あずさ2号男爵:松澤一之→宮崎吐夢
こだま刑事/D51号男爵:田山涼成→山崎ルキノ
当たり屋先生/モンタサン伯爵:佐戸井けん太→山内健司
佐伯長太郎/ハギノカムイオー男爵:羽場裕一→山中崇
お嬢/サクラフブキ令嬢:松浦佐知子→小泉まき
場外馬券売場の女/行方不明の少年:川俣しのぶ→斎藤章子
役名と役者さんの名前を書いてみても、今日の舞台が思い出せないんですわ。
うーん、何見てたんだろ、自分。残念・・・。
楽日だというのに、当日券もだいぶ出ていたし、早めに一回観て、もう一度見るべきだったか。
観劇日:2014年10月13日(祝)
小屋: 東京芸術劇場プレイハウス
木戸銭:5500円
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