【劇】 第九交響曲特別演奏会2014 (日本フィルハーモニー交響楽団)
日本の年の瀬と言えば「第九」である。が、何故なんだろう。ググッたら出てきた。
社団法人日本オーケストラ連盟の事務局、加納民夫さんに聞いてみた。
「戦後、貧しかったオーケストラが、いわゆる“もち代稼ぎ”で始めたといわれています。第九には、オーケストラのほかにコーラスも参加するので、出演者の総人数がとても多い。その出演者たちの知人が客として来れば、ふだんより多くの来場者が期待できます。コーラスもプロを雇ってしまうとコストはかさみますが、学生などのアマチュアに頼めば出演料もあまりかからず、オーケストラの収益はアップするのです 」
(R25のWEBサイトより)
随分、現実的な理由なんですなぁ。
テレビ等では目にするものの、オイラには54年間、縁がなかった。
が、何の予定もなかった2014年のクリスマス。高校の同窓生Kくんから「チケット1枚余ってるけど・・・」のお誘い。
気づいたのが開演の2時間前だったけど、幸い、職場から20分ほどのサントリーホール。1時間ほど残業しても、余裕で間に合う。
ってことで、急遽、Kくんご夫妻とご一緒させていただくことに。訊けば、姪御さんが東京音大にいて、今日は合唱団として出演するのだとか。ふむふむ、それじゃ席を空けちゃ申し訳ないですわなぁ。
前から4列目上手寄り。
まずは、パイプオルガンで2曲。
前座ってことなのか、それとも第九だけでは短すぎるのか。
2曲目はJ.S.バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」。荘厳なパイプオルガンなのに、なぜか「チャラリー、鼻から牛乳~~」と聞こえてしまう悲しい性。オイラだけかと思ったらKくんもだった(笑)
2曲で15分ほど。ここですぐに15分間の休憩。
休憩に入ると、すぐにコントラバスと打楽器奏者が登壇。
そうか、彼らは楽器が既にステージに置かれているから、早く出てきてウォームアップしなけりゃならんのか。
こんなのも、ナマで見ないと判りませんなぁ。
時間近くになると、パイプオルガンの前の席に合唱団が現れる。あそうか、あの席はこういうときに使うんだ。なるほど。
後から後から。数えると178人。すげー。
で、他の楽器も次々に着席。ほとんどの人はパイプ椅子なんだけど、コンサート・マスターとチェロの椅子は少しばかり高級感あふれてる。コンマスは偉いからとして、チェロは演奏の都合で踏ん張りがきかなきゃいかんのかしら?
こんど、チェロ弾きの先輩に伺ってみよう。
みんなが出そろったところで、でっぷりとした体格のコンマスが入場。第2バイオリンのリーダーさんが、ちょこっと譜面台を傾けて通路を開けたのが面白かった(笑)。
コンマス、客席に一礼して、オーボエに指示。テレビでもよく見る光景。コンマスに続いて他の楽器がチューニング。盛り上がるからやるんじゃなくて、ほんとにチューニングしてるのね。
ちなみに、この席からだと見えるのはバイオリンの前列と、ビオラ、コントラバスくらい。芝居なら役者が動くからいいんだけど、オーケストラは固定されてるから、金管、木管、打楽器は全く見えないし、後から入ってきたソリストも、隙間からチラっと見えただけ。ちょっと残念。
そこに小泉・元総理を貧相にした感じ、或いは軍師官兵衛で石田三成の側近だった増田長盛(有薗芳記)にそっくりのおじさん登場。
そう、「炎のマエストロ」小林研一郎さんである。
こどもの頃、題名のない音楽界で、黛敏郎に「コバケン」呼ばわりされていた人。もう74歳なんですねぇ。
で、ここまでがこんな感じにゆったりと流れたのに、いきなり始まりました。
小林さんの指揮。髪振り乱して、首を振り続けたかと思うと、軽い中腰になってまるで太極拳のようになったり。
周りにオーケストラがいなくて、タクトを持ってなかったら、どこか「江頭2:50」みたい。いや、良い意味で。その動きがものすごくシャープで、予想外で・・・。
時折、ビオラに指示をするときに顔が見えるんだけど、まさに増田長盛でしたわ(違)
【参考画像】
いやぁ、素晴らしい。第一楽章が終わったところで、思わず拍手しちゃったのは私ですわ。
こういうのって、最後まで拍手しないものなのね。芝居と違うんだな。
一楽章終わるごとに、炎のマエストロ、指揮台を降りて、ペットボトルの水を飲んでました。
そりゃ、あれだけ動くし、声も出してるみたいだから、喉も乾くよなぁ。
でも、のどが渇くったら、演奏者、特に、管楽器の人は乾くよねぇ。
もう、どこがどうなったかわからないけど、ソリストが入ってきた。
チラッと錦織健さんのお姿が。綾小路きみまろみたいな髪型・・・。ネスカフェゴールドブレンドのCM(今では「青雲」のCMですな)で有名(違)だけど、今年あたり「にしこり」って呼ばれちゃいそうですね。
そして、総勢178人(だと思う)の合唱団がすくっと立ち、はい、始まりますよぉ・・・。
そういや、これって、パルコ劇場の志の輔らくご「歓喜の歌」で見た光景だ(笑)
人間の声って凄いですね。
コバケン、コーラスへの指揮は、これまた凄い、延ばすところは、もう客席の奥の方を指さして「あそこに届けろ!」くらいの勢いなんですねぇ。歌ってても、気持ちがいいだろうなぁ。
でもって、先日、高島ちさ子のコンサートを見てから、弦楽器の弓さばきにとっても曳かれてましてね。
今回も、丁度席から弦楽器が良く見えて。コントラバス→チェロ→ビオラ→バイオリンと、徐々に低くてゆっくりのところから、高くて速いリズムにざわざわざわと動きが伝わっていくように見えたり、最終楽章のラストの早いテンポの部分で、バイオリンの弓が高速で上がり下がりしていたり。、
見てても、聴いてても、コンサートってこんなに楽しいんですね。
終演後、マエストロ、各パートのリーダーと握手、オケ、コーラスを各パートごとに立たせて客に挨拶、ソリスト4人、コンマスと手をつないで挨拶、そして、客に向かって「日フィルに足を運んでくれた感謝。皆さんの拍手、オーラが嬉しい。今日のコーラスは天使が舞い降りてきたみたいだった。こんなコンサートができるのも非破壊検査株式会社のスポンサードのお蔭」等々。ずいぶんサービスするな、と思ったら、この日はテレビ番組を撮っていたようでした。
にしても、暮れの風物詩・第九。こんなに楽しいものと思いませんでした。
クラッシックのコンサートって眠くなるかと思ったけど、耳で、目で、身体全体で楽しめました。
Kくん、ありがとう。
観劇日時:2014年12月24日
木戸銭: 8700円(招待頂きました)
小屋: 赤坂・サントリーホール
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