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2015.03.06

【劇】 Live Airline (ウィングエンターテイメント)

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製作は「ウィングエンターテイメント」、主催が「日本航空学園」。

日本航空学園は、「日本航空大学校」という国交省付属機関のような名前(あっちは「航空大学校」)の専門学校を経営する学校法人。戦後に設立されたあっちの航空大学校よりも歴史は古く、前身も含めて創立82年だとか。ウィングエンターテイメントは、その学校法人のグループ企業で、名前の通り、ミュージカルやバレエ、ダンスなどの公演を手がけているそうな。そのせいか、どうか知らないけど、客席にはダークスーツ姿の男性が多かった。普段の芝居小屋とは違う感じ。

さて、お話。時代は今よりもちょっと先。舞台はニューヨーク行の旅客機の機内・・・、とはいっても、ただの飛行機じゃない。
豪華客船のように、機内にはカウンターバー、ビリヤード場などの娯楽施設が整うとともに、乗務員たちによるパフォーマンスが行われるのだ。

乗客は、おばあちゃんと大学生の孫娘、幼馴染の若い男女、アメリカに嫁ぐ女性・・・等。
おばあちゃんは飛行機嫌いなのに、その孫たちは、CAやパーサーとして、このフライトに搭乗しており、客の世話だけでなく、歌って踊って・・・なのである。

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その機内でのパフォーマンスがメインなので、ストーリーは簡単。
シングルマザーとして、孫たちの親(劇中では父母のどちらかは明らかにされていない)を育て上げた銀座の老舗の和菓子屋の一人娘のおばあちゃん。その初恋の人(=孫たちのおじいちゃん)がNYにいることが判り、CAの孫娘がサプライズでひき逢わせようとNY行きを企画。目的地NYでは52年ぶりの再会となり、ハッピーエンド・・・。

ある出来事から飛行機嫌いになったおばあちゃん。念仏を唱えたり、座席に正座したり。笑いをとりつつ、狂言回しとなるのが我らが駒塚由衣さん、白髪のかつらで、客席の扉からの登場。
四季時代には歌は封印していたそうだが、今回、初めてその歌声を披露してくれる。

主催者が主催者だから、ただ、飛行機を怖がるだけじゃいけない訳で、プライベートで乗り合わせたベテラン整備士が、「飛行機はその時代の最先端の技術を集めて作られるし、我々が情熱と技術を持って整備するから安全・・・」、なんていうナンバーを歌って踊るのをはじめ、オリジナル曲は3曲。

それ以外は、アメリカ便ということで、ジーンケリーだったり、プレスリーやモータウンのメドレー、そして、ミュージカルメドレーもあって、自然に体が動いちゃう楽しさ。
出演者も、元宝塚、バレーダンサー、AKB48の現役・卒業生、劇団四季OB、そして、元ミスなんちゃらの国内ファイナリスト等、宝石箱ですね。

特に、主演のCA役の愛音羽麗さんなんて、名前からして、この公演にピッタリ。
CAとしては女性なんだけど、おばあちゃんの回想シーンでは初恋の男性を演じる。相手役(=おばあちゃんの若い頃)も宝塚出身の人で、せりふからメークから動きまで、そのまんま宝塚を切り取ってきたよう。ほーーーっ、ため息が漏れちゃいましたわ。
お得感タップリ。(孫息子のバレーのできるCA役の青年は日本航空高校の卒業生なんですって。)

日本の家族と別れてアメリカ人の男性に嫁ぐ女性、日本から離れるにしたがってホームシックに。
そこに、CAからメモを受けた機長が、夜景の上を旋回しながら粋な機内アナウンス。「日本とアメリカは近い、お隣にいくようなもの。いつでも会いに行ける。」と・・・。

実はこの学校法人、戦前からあることでわかるように、「離陸方法だけ教えて戦地に送る」(=特攻)ってなこともやらざるを得なかった時期を経験しているそうな。そんな辛い思い出もあり、軍用ではなく民間旅客機がもっと楽しくなればいいのに・・・と、このお芝居のような舞台設定にしたのだそうな。ただの移動手段でない何かを描きたかったのでしょう。

今後、このLive Airline、シリーズ化するかも。フライト先が変われば、その行先の音楽を歌って踊れば、違ったものになっていくし、発展していきそうですね。

劇場の受付、案内のみなさんも、それらしい恰好をされており、もぎりのときには「ご搭乗ありがとうございます。」。
開演前の諸注意の際も、空港でよく訊く「ピンポンピンポーン」のチャイムがなり、あたかもフライト前の注意をCAさんが行うがごとくの口調でのアナウンス。さらに、休憩時間にはCA役の役者さんが、機内サービスの如く、プログラムを売って歩いてくれて、気分を盛り上げてくれました。

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(そんな調和した遊び心の中、ロビーの真正面で、協賛の動物保護団体の若者が、熱意の余りか、大声で物販をしていたのには、正直、戸惑いました。)

観劇日:2015年3月6日ソワレ
小 屋:六本木・俳優座劇場
木戸銭:7500円

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