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2015.03.27

【劇】 紅白旗合戦 (アガリスクエンターテイメント)

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平日3連続観劇。これって、実は体重が増えちゃうんですよねぇ・・・。しかも、この日は開演19:30と遅めで2時間タップリ。
“今度の会議は生徒vs教師!議題は日の丸・君が代!”
アガリスクエンターテイメントの記念すべき第20回公演は、代表作『ナイゲン』に続く会議コメディにして、卒業式での国旗・国歌を巡って教師と生徒が真っ向からぶつかる全面対抗戦。
裏切り!密約!権謀術数!あの手この手を駆使して論陣を張る両者によって、本来は歩み寄る為の交渉のテーブルは、思想・良心・自治・命令・愛国心・愛校心の渦巻く泥沼に沈んでいく…!
デリケートでアンタッチャブルな題材を、「真面目なほど滑稽に見える」シチュエーションコメディのフィルターを通して描く、政治・青春・群像・会議・シチュエーションコメディ!
」(劇団WEBサイトの「概要」から)

あらすじ以前に、この「概要」なる文章のもつ力、スピード感に圧倒されました。
「日の丸・君が代」となると、辛気臭いイデオロギーのぶつかり合いかな、って思うんだけど、どうもそうじゃなさそう。
ということで、通勤経路上の小屋に足を運びました。

シアターサンモールの隣。サンモールスタジオ初めて。地下の小屋に入ってびっくり。
客席は、手前と奥に向かい合う形で平行に作られ、間の空間(=舞台)には、斜めに細長いコの字型に、会議机とパイプ椅子。シンプル。こりゃ、どこに座ればいいんだ?

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冒頭、生徒会室での会話。卒業式実行委員長と生徒会監査委員の会話。卒業式準備のため、美術部の下校時間を延長してほしいと頼む委員長に対し、規則を楯に「無理」と突っぱねる監査委員の会話が、延々とループ。

この後、女子高生と生徒会の顧問教師のやりとりが続く。

自主自律を旨とし、ほとんどの学校行事を生徒が企画・運営しているこの学校では、卒業式も生徒が立案したプランで準備が進められていた。
しかし、式も近づいた2月末になって、突如教師側から「待った」がかかる。
」(劇団WEBサイトの「あらすじ」から抜粋)

とにかく、一旦は職員会議でもOKになった生徒の案が、校長の独断で突っ返されたのである。
生徒会長である彼女は「国旗は職員用の入口に開式15分前まで掲揚、卒業生入場15分前に希望者だけで国歌を歌う」という生徒会案は、これまで10年間、県の教育委員会からも「国旗掲揚・国歌斉唱を実施した」と認められている。それを何故今さら?と教師に詰め寄る。
教師は、最近この高校に転勤してきており、校長の「社会通念上、正しくない」というセリフを繰り返すのみ。

このやり取りで明らかになるのは、彼女側は国旗・国歌がいや、というのではなく、前年の秋から、全校生徒へのアンケート調査を経て、生徒側、教師側の手続きを経て決定されたものを、卒業式1週間前に一方的に反故にされたことを怒っているのである。
「生徒の自主自律、ってのがうちの校風。教師が生徒の自治に介入するのが問題。このままでは、文化祭や体育会も影響する。絶対認められない。」

このプロローグのお蔭で、国旗国歌問題をストレートに論じるのではない、ってことが判り、観る方も多少肩の力が抜ける。

この学校は、教師と生徒の意見が整わないときには、「教師と生徒の連絡協議会」を開いて、妥協点を見出すという制度があるのだ。「連協」は双方から6人の代表が出て議論をし、最後は多数決で成案を見るのである。

舞台中央の会議机がその連協の場。この時点で「12人の怒れる男」「12人の浮かれる男」「12人の優しい日本人」を想起させる。「新しい12人もの」?

この12人の連協での議論と、裏での駆け引き。赤点を取った生徒に進級をちらつかせて取り込もうとする教師、教え子との交際をネタに教師を取り込もうとする生徒・・・。それぞれ、あの手この手で、過半数を目指す。

これまでの「12人もの」と違うのはメンバーの入れ替えが可能であること。その13人目のメンバーが、さて、どちらの味方なのか・・・。

国旗国歌に思想的に反感を持つ社会科教師が一切ぶれない点なんぞ、すがすがしかったですね。それに教師側も生徒側も、実はいろんな思いを持つ物がいることも判り・・・。

ラスト近く、協議不調、校長専決で教師案に決定・・・となるときに、「結論はどうであれ、ちゃんと話をしないのはおかしい。」という空気が教員の中にも出てきて、連協再開を求めに校長室に集結。校長、「こんなところで会議ができるわけないだろう、・・・会議室へ行こう。」いやぁ、ウルっと来ちゃいましたわ。

再度の会議室のシーンは、机は「コの字」ではなく、ピッタリくっつけられてました。細かい演出ですねぇ。

生徒7人(途中でひとり交代がある)、教師6人はそれぞれ、強烈な個性を持っている。

どのキャラも悪くないですね。観終わった後、スッキリします。しかし、ダンスがある訳でも歌う訳でもなく、舞台装置も保呑どなく、ただひたすら、2時間タップリ、猛烈な言葉のやりとり。特に、生徒会長はすごいや。
公演後半ではありましたが、途中で校長先生と社会科の先生が頭が真っ白になってる・・・?ってなシーンもあり、ハラハラしました。

今どきの高校生って、ああいう喋り方してるのかな、でも喋り方はともかく、言ってることはまともだな、ってなことも考えながらの2時間でした。舞台装置にお金がかかっていない(であろう)こともあり、3000円とお得でお奨め。

観劇日:2015年3月26日(木)ソワレ
小 屋: 新宿御苑・サンモールスタジオ
木戸銭:3000円
(2015-12)

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