【劇】 吾木香~ワレモコウ~ (G&Gアクターズファクトリー)
IOHファミリーの小野剛民さんからご案内頂き、八幡山のワーサルシアターに足を運びました。
前回、この劇場に来たのは同じくIOHファミリーの農塚さんの舞台ってのも何かのご縁、しかもあの日も雨、この日も雨。何かと符合する・・・(キッドの舞台の節目は必ず雨だそうな。)
作・演出はこれまた、IOHへの出演経験のある田中優樹さん。
「目立たない、花らしくない花のような人々が寄り添うように生きている。
かつては薔薇の花であり
今 薔薇の花である人もやがてその姿が
変わりゆくことを知っている。
生まれもった運命、あやまち、時の流れ…。
誰もが心のどこかに迷いや後悔、不安を抱えて生きている。
けれど、そんな人生も必ず咲き誇れる場所を見つけることができるはず。どんな花であっても…。あなたが誰かの大切な花として今まさに咲きつづけているように。
少し切なく優しい秋のハートフルコメディ」(劇団WEBサイトより)
この説明とも、チラシの絵柄とも違って、プロローグはヤクザの抗争シーン。ドンパチやりながらのセリフは少々聞き取りにくい。そして紗幕がとられ、本編が始まる。
舞台は路地裏の小さなレストラン。少し不安定な感じの少女がたどたどしい言葉遣いで話す。実は、既に22歳で自閉症であることが、後々のセリフから判る。
彼女の父親は冒頭のヤクザの一人。14年の刑期を終え出所、成長した娘・香(こう)の姿を見ようと、正体を隠して彼女が働くレストラン・われもこうにやってきた。
そのレストランのオーナーは彼が身を挺して守った2代目組長の娘(=3代目)。香の他にも障害のある娘、そして身寄りのない娘、かつての組員を雇っている。
しかし、立地もあって、レストランは火の車、家賃も払えず、不動産屋から立ち退きを迫られるが、何とかそれを延期してもらう。その条件が「客を100人集めること」。
集客作戦は成功するのか、そして、親子の名乗りはできるのか・・・。
不動産屋さんが、相手がヤクザと判って物件を賃貸する、しかも、通常よりもいい条件(2年も家賃を滞納しているのに、これまでは不問だった)ってのは、なかなか判りにくい設定。
また、2代目って人が、冒頭のドンパチに出てくるだけだけど、そこでは2代目とは呼ばれておらず、また病死した設定なので、誰が誰だかわからず、最初の20分くらいはストーリーが全く追えなかった。
そして何より、娘が父を思い出すための伏線はあるのに、それは回収されず、劇中では親子の名乗りはされない(もう一組の生き別れの親子はちゃんと名乗るのに)ってのは、少々不満。
自閉症の女性がダンスパフォーマンスはキレキレという設定で、何度か踊りのシーンがある。素の時の演技との差は見もの。
一方、初日の舞台特有のハラハラする場面も何カ所か。これは仕方がないけど。
肝心の小野さんは、レストランの雇われ店長。脱サラして今の位置の収まっているとの設定で、3代目の心がグラつくときに励ます役割。「ゆず」と「コブクロ」の区別がつかないネタを延々と引っ張らされてて少々可哀想だった。小野さんのダンスが見られたのがいいかな。
終演後、全く偶然に隣の席に座っていたこれまたIOHファミリーの山本正之さんと小野さんと一緒に呑みました。
観劇日:2015年11月25日(水)ソワレ
小屋:八幡山・ワーサルシアター
木戸銭:4000円
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