【劇】 もしも、シ ~とある日の反射~ (リジッター企画)
昨年4月、劇団銅鑼の「はい、奥田製作所。」 の打ち上げでお話をさせて頂いた鈴木啓司さん。その後、8月に銅鑼を退団し、リジッター企画なるユニット?に参加したとのこと。
公演のご案内頂いたのですが、スキーシーズンでもあり、完全Wキャストの鈴木さん出演日がスケジュール的に難しくて・・・とお話をしたところ、「シャッフル公演ってのがありまして・・・」と、ご連絡頂いた。Wキャストをシャッフルしての公演があり、この日のソワレに鈴木さんが出るとのこと。
で、行ってきました。
このリジッター企画「抽象的な舞台美術の中での、詩的な台詞表現と、それを体現した群舞によって生まれる、小気味よいテンポのブラックファンタジー。」との説明書きがある。スタッフには「身体演出」の肩書を持つ人もいる。
そもそもリジッター(legiter)とは何ぞや。劇団のWEBサイトには説明はない。ググってみると、legitというスラングに行き当たり、「質が高い」「本物」といった意味のようである。
「これはひとりの少女の話であり、ひとつの故郷の話だ。
1995年1月17日午前5時46分、小さな田舎町に住むフルサトという名の少女が死んだ。
その15年後、東京で二人の男が出逢う。
フルサトから逃げたタカラ。
フルサトを愛し続けるハジメ。
タカラとハジメの想いがぶつかる時、二人が知る真実とは…。」(webサイトより)
舞台上には椅子代わりのブロックと、壁には時計。針は5時46分で停まっている。WEBサイトのあらすじを読まずとも、阪神大震災をモチーフにしているらしいことが想像できる。
多分高校生のタカラとフルサト。心を通わせていた筈の二人だが、タカラは都の大学に進学する。「年に一度、お正月だけでも故郷で会おうね。」というフルサトの言葉もむなしく、タカラは帰ってこない。
一方、傷心のフルサトと出会ったハジメは彼女を愛す。がしかし、フルサトは命を落とす(敢えて、阪神大震災と言う言葉は出てこないが、建物が倒れ、火事が起き・・・というセリフは出てくる。)
それから15年。フルサトは15年後、少年の姿になり、誰も出ることがない電話をかけ続ける。
実は、ハジメとの関わりかたやら、トクシゲの占いの能力など、よく判らない部分もあるんだけど、その判らなさ具合が「夢の遊眠社」を思い出させる感じがあります。
そもそも、タイトルの「もしも、シ・・・」からして、電話の「もしもし」と「もしも、死ななかったら」「もしも、知っていたなら」といったフレーズをかけている。都に行ったタカラの奥さんは「ミヤコ」だった・・・。この辺りは言葉遊び。
そして、上にも書いた「身体演出」を経た演技は、鍛え上げられた遊眠社の役者さんのキレッキレの演技をも髣髴とさせる。
コアなファンの方もいるようで、早速感想がつぶやかれてて、劇団によるまとめがありました。
完全なWキャストに、それをシャッフルしての4回のお楽しみ公演(しかも1000円安い)、様々なグッズ販売、パンフレットへの役者さんのサイン等、この辺りはキャラメルボックスっぽさも感じる。別の回も観てみたくなる、そんな公演でしたね。(現に、隣の男性は、今日が5回目と言っていたし、お友達も3ステージ目だとか。)
初めての吉祥寺シアターは、職場からは少し遠いけど、開演時間が19:30と遅く、また、鈴木さんから懇切丁寧な道案内のメッセージも頂き、無事到着。
終演後は、ひとりフラフラと、ハモニカ横丁に吸い込まれていきましたとさ。
小屋:吉祥寺・吉祥寺シアター
木戸銭:2500円(シャッフル公演価格)
(2016-10)
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