フォト

リンク集

無料ブログはココログ

カテゴリー「読書」の115件の記事

2016.09.22

【読】てんのじ村 (難波利三)

大阪のことを書いた小説ってないのかな・・・って探していたら、何のことはない、歩いて10分くらいのところが舞台になってる小説があるとの毎日新聞の記事を目にしたので、直ちに、図書館で借りました。

表紙の絵は、戦争の金属供出でなくなる前の初代通天閣。タイトルの「てんのじ村」はもちろん「天王寺村」の大阪読み。
ここに集まってくる芸人さんたちの日常を、ある漫才師の男性を中心に描いた小説。

戦前から、戦後にかけて、配線、テレビの出現等、さまざまな世の移り変わりの中で、あるものは芸人の道をあきらめ、あるものは活躍の場を舞台に移し、そして、あるものは頑固に芸風を変えない・・・。

丹念な取材に基づいたエピソードをパーツに物語(フィクション)が作られていて、読み応えあり。

もっと早く読んでおくべき一冊でした。

Photo

【読】 本所おけら長屋 (畠山健二)

Photo 久しぶりに時代小説ですね。一時、はまってたんですが・・・

長屋の住人がそれぞれ、ちょっとした事件に巻き込まれ、そして、それが他の住人にも微妙に絡まって・・・。

扉の次に、長屋の見取り図と住人の説明があって、それを見返さないとわからなくて、関係が頭に入るまでは、入り込めない恨みあり。
シリーズになれば、間違いなく楽しめると思う。

【読】 読書いろいろ

ずっとサボっていた読書記録。
これ以外にも読んでますが、とりあえず、手元に写真があるものをまとめてアップ。

【瑠璃の水菓子、あんず花菓子、夏おにぎり】

Img00522_2 神戸勤務時代に図書館で借りて読んだ「料理人 季蔵捕物控」のシリーズ。近所の図書館に並んでいたので、久しぶりに手に取りました。
それぞれタイトルには料理の名前がつけられているのは、このシリーズの決まり。

この3冊のうち、シリーズ27冊目となる「あんず花菓子」のうたい文句を、角川のHPから頂いてみると・・・
日本橋にある塩梅屋の主・季蔵は、米問屋の加嶋屋に「食通である俳諧仲間のために、鯛尽くしの料理を拵えてほしい」と頼みこまれた。数日後、季蔵は先代の忘れ形見で看板娘のおき玖を連れて、加嶋屋の寮に赴き、先付けを出した矢先、五人もの浪人に押し入られ人質となった。季蔵は命に代えても、おき玖を守ると誓うが……。美味しい料理と人情と名推理が冴えわたる大ベストセラーシリーズ「料理人季蔵捕物控」の第一幕が、ここに完結。

何と、これで完結なんだそうな。え、そうなの・・・とビックリしましたが、よく読めば「第一幕」の完結なんですね。

だって、「夏おにぎり」のうたい文句は、

「塩梅屋」の看板娘のおき玖が、南町奉行所の同心・伊沢と祝言を挙げ、店には、午後四時頃までという約束で、通うことになった。夏のある日、季蔵たちが賄いを食して、しばらくたった時、店の近くで、すり騒ぎが起きた。そんな最中に、貧しいひとからはお金をとらない、巷では有名は医者・岡野玄良先生が「塩梅屋」に現れて――太刀魚と揚げ蓮根はさみ、滋味そうめん、揚げおにぎり、こんにゃくと枝豆のずんだ、冷やし煎餅……夏の暑さに負けない、美味しくて身体に優しい料理と市井の人々の人情、そして季蔵の推理が、ますます冴えわたる大ベストセラー書き下ろしシリーズ、第二幕、待望の幕上げ。


なんですから(笑)。
ただ、不思議なのは、
おき玖と南町奉行所の同心・伊沢の二人は、「あんず花菓子」で恋仲になり、「夏おにぎり」はすでに夫婦になっているのに、祝言のシーンがこの2冊のどちらにもないんですよねぇ。どんな料理が出るかワクワクしていたのに・・・。
NHK「真田丸」で、本能寺の変や関ヶ原の戦いが、たった数十秒、しかもほとんどがナレーションだけで終わってるのよりも、さらに簡潔・・・。


【パンダ銭湯】
01_2 何ともほんわかしたタイトルと表紙。
文字通り、「パンダ以外お断り」の銭湯のお話し。両親に連れられた子パンダが先頭に行くのです。

最近お子さんが生まれたお友達の書き込みで名前をみて、少々気になり、図書館で注文。

ネタバレになるので、中身はかけないけど、とにかくすごい絵本です。これは子供よりも大人が楽しめる絵本ですわ。設定、ストーリー、まさかのどんでん返し、そして、ディーテールにこだわった絵。(例えば、表紙のお父さんパンダが持ってる風呂敷包は「笹の葉」の柄だとか・・・。
あんまりうれしかったので、職場で回覧しちゃいました(笑) これは、是非とも読むべき一冊。絵本界のシン・ゴジラと言っても過言では・・・、いや、やっぱ、言い過ぎか。



【ちくわのわーさん、こんぶのぶーさん、とてもおおきなサンマのひらき】

Img00130_3 これまた絵本。パンダ銭湯の話を職場の人としていたときに、話題になったもの。岡田よしたかさんという作家さんの絵本。これまた図書館で3冊まとめて予約して、読みましたわ。
(このほか「うどんのうーやん」というのもあるらしいのですが、大阪市立図書館には所蔵されてませんでした。)

シュール。子供が泣きそう・・・

2016.06.22

【読】 大阪ルール (都会生活研究プロジェクト[関西チーム])

Rule_2 転居すると、そこの関係の本を読むのですが、こいつはちょいと脱線。

神戸のときも「神戸ルール」ってのを読んだけど、まあ、いわゆる「あるある」の類で、半分はネタかな。

それでも、なるほど・・・って思うのは例えば、
○炭水化物をおかずに炭水化物を食べる

○会話はパス回しが命

○高くてウマいは当たり前。安くてウマいが流行る

辺りですかね。
特に、「会話はパス回し」ってのは言い得て妙です。
他地域の人は、大阪人の会話って、ボケとツッコミって思うんだけど、それだと、会話はオチがついて終わっちゃう。実際の会話は延々とパス回しが続いて、どっちがボケなのかツッコミか判らなくなる感じなんですね。

友人に、おいらがボケると、「そんなの関西人にとってはツッコむ気もしない。」と言う人がいたけど、それって関西は関西で大阪じゃない人の発想のような気がします。
大阪の人は、どんな細かいボケも拾うし、仮に拾いきれなくても「そんなのツッコむ気もしない。」と言ってパスを回してくれるんですわ。(これが、北の方の人だと、完全にスルー・・・(涙))
ま、いずれにしても話の種ですわ。

2016.05.18

【読】 大阪を古地図で歩く本 (ロム・インターナショナル)

Oto これまで、名古屋、仙台、神戸と転居してきたが、その度に、その街のことを書いた本を読む。名古屋本のようなものから、旅行のガイドブックや検定の教科書まで(笑)

今回の大阪も同様。さすが、大阪はたくさんあって、4冊一度に読み始めて、ようやく一冊読了。

たまたま、天王寺の本屋さんのレジ前に平積みになっていたのを手にとって、即購入。2016年3月1日初版発行。グッドタイミング。

かつての地名から、どんな成り立ちの街だったかを丁寧に書いている本。今の市街地図を手元に読み進める。面白い。

惜しむらくは、肝心の地図が、文庫本1/3ページ~1ページに縮小されてて、判りにくい。
もう少し大判の本なら良かったんですがねぇ。
「梅田」がもともとは「埋田」で、大阪のはずれで火葬場があった、とか、天王寺界隈に何故お寺が多いのか(大阪城南側の守りのため)、とか、茶臼山古墳は古墳じゃないかもしれないとか・・・。

明日にでも使いたくネタばかりなんだけど、如何せん土地勘がないので、覚えられない。もう少し、町の様子がわかってから、再読すべき本でした。

2016.02.28

【読】 カッコウの卵は誰のもの (東野圭吾)

Bento 2冊続けて、東野圭吾。申し訳ないけど、どっちも古本屋さんで購入した「初版第一刷」。

白銀ジャック、疾風ロンドと同様、「東野圭吾ゲレンデ三部作」(とオイラが呼んでいるだけだけど)。これも映像化されることになり、ボランティアエキストラに出ることになったので、急遽読みました。

オリンピックスキー選手の緋田宏昌は、新世開発スポーツ科学研究所の柚木洋輔から、緋田父子の遺伝子を調べさせてほしいと頼まれるが断る。娘の風美は「カエルの子はカエル」と言われる天才スキーヤーだが、絶対に誰にも知られたくない秘密があったからだ。そんな時、新世開発スキー部に「緋田風美をメンバーから外せ」という脅迫状が届く。柚木が風美の警護に付いて警戒する中、風美が乗るはずだったバスが事故を起こして負傷者が出てしまう。

あとから、あとから、話がこんがらがっていって、「これ、どうやってまとめるんだろう・・・」って思わせる小説。とにかく、早く、早く、読みすすめたくなる。
前回読んだ「疾風ロンド」が予定調和で話が進むのに最後になって「え? そうなの??」となったのに対して、これは、最初から振り回される感じでした。

映像化される、ってことで、主要登場人物のイメージをキャストと重ね合わせて読めたので、ビジュアル的にも楽しめました。

2016.02.10

【読】 疾風ロンド (東野圭吾)

Img00394_3 久しぶりに、本を買いました。

表紙でもわかる通り、雪山が舞台。ちょっと前にテレビドラマになった「白銀ジャック」の作者である東野圭吾の描きおろし。

続編ということではないけど、登場人物の名前やプロフィールが重なっている。

主人公の根津昇平が、元スノーボードクロスの選手で今はスキー場のパトロールで、このゲレンデに来る前のスキー場は「観光事業を手掛ける企業が経営しており、すべてが敷地内に建てられたホテルの宿泊客を対象に運営されていた」とそうなので、ここも白銀ジャックの撮影をした安比を髣髴させる。さらに、根津とからむ瀬利 千晶というスノーボードクロスの選手が出てくるところも一緒。

「拡散すれば人々を大量死に陥れる威力をもつ生物兵器K-55が盗まれた! 引き換えに3億円を要求する犯人からの手がかりは、スキー場らしき場所で撮られたテディベアの写真のみ。しかも犯人との交渉が突如不可能に! 圧倒的なスピード感で二転三転する事件のゆくえ、読者の予想を覆す衝撃の結末に酔いしれろ!」(出版社WEBサイトより)

まずは、その写真から、スキー場を突き止めるところの流れが、スキーヤー・ボーダーがその英知を結集するんだけど、ネットで「特定」に至る流れを感じさせて面白い。
そして、突き止められた「里沢温泉スキー場」が、オイラの好きな「野沢温泉スキー場」をモデルにしていることは明らか。12人乗りの立ち乗りゴンドラと6人乗りのゴンドラがあって、温泉街があって・・・って。

このほかにも「こだまゲレンデ←やまびこゲレンデ」「日向ゲレンデ←日影ゲレンデ」「三つ葉食堂の信州菜担々麺←三井食堂の野沢菜タンタン麺」「板山←飯山」「アタックコース←チャレンジコース」と、読んでいてニヤリとする名前が多数でてくる。

ゲレンデマップを頭に置きながら、ニヤニヤしながら読み進める。
WEBサイトにもあるように、二転三転やら、予想を覆す・・・はまさにその通り。鈍くさいひとのミスや、いろんな偶然が重なって、解決したと思ったら、そうでなかったり・・・。

途中のストーリー、謎解きはハラハラドキドキだし、最後には、丁寧に伏線が回収されていていい作品なんだけど、最後の最後で、してやられた・・・、というか「望む解決」に至っていないのが、ちょっとばかり消化不良。
映画化の話もあるようなので、楽しみです。

タイトルの謎はこちらの知恵袋の回答に同意しますわ。

2015.10.20

【読】 風のマジム (原田マハ)

514kxnr5svl 今年になって「読書」カテゴリーでエントリーするのは何と2月以来の2冊目。しかも、その時の本は若干仕事に関わる本で250ページほどをひと月かけて読了という、何ともイヤハヤな状態。

この本は違いました。SNSでの友人のコメントを読んで、「ぜひとも読みたい!」と図書館に行く時間が惜しくて、即座に密林でポチッ。

沖縄・南大東島で作られるラム「コルコル」の誕生にまつわるお話をベースにしたお話。

一介の派遣社員だった主人公・まじむ(琉球方言で「真心」の意味)が、「風の酒」(=風によって育てられるサトウキビから作られるラム)を造りたい、と社内ベンチャーに応募、いろいろな困難を乗り越えつつ、社内での選考、現地での根回し、もろもろの手続き等を持ち前の粘り強さ、意志の固さ、そしてたくさんの人に支えられてクリアしていく物語。、大筋は事実であり、まさに「小説より奇なり」なのである。

一方、あくまでもフィクションだから、良きにつけ、悪しきにつけ、いろんな偶然が絶好のタイミングで起こったり、現実とは違う設定(モデル=既婚者、主人公=独身)ゆえの、ほのかな恋の予感があったり。極めつけは、まさか大企業のプレゼンでそんなことが起こる訳ないだろ、なんていう部分はあるんだけど、それぞれの部分で、完全のやられてしまうのですよ、初老のオッサンとしては。

友人からは「あなたは電車の中で読んじゃだめ。」と言われていたのにもかかわらず、社内プレゼンのシーンでは涙腺が崩壊しましたわ。

舞台となっている那覇・桜坂劇場界隈は何度か歩いているし、南大東島も一度訪れてモデルとなった酒造所も訪ね、モデルとなったコルコルも飲んだ。そのときのことが、鮮明に浮かんできました。光も、風も、風景も、音も・・・。
文庫で300ページほどの小説だけど、電車の中、寝る前の時間で一気に読了。

読み終わった後、どうしても我慢できなくなり、コルコルをポチっとしたのはいうまでもありません。

C

2015.02.25

【読】 横浜山手 (鳥居 民)

10989506_710468529070949_2577171370
久しぶりの読書記録。神戸から東京に来て、大きく変わったのが観劇環境と読書環境。
観劇については、選択肢が格段に拡がり、昨年1年間は人生最多観劇回数となりました。

一方、読書については、近くに一般の図書館がなくなりました。図書館はなくても、買えばいいのだし、若干ジャンルは偏るけど職場にもいろいろと本はあり、また、同僚から「これ、読んでみない?」とお奨めも頂く。
が、神戸では主な読書時間であった通勤時間帯の事情も変わった。朝夕とも電車で座れなくなったこと、地下鉄内でスマホが通じるようになったことである。
職場にある本は、ハードカバーが多く、混んだ電車で立ったまま読むのはおっくう。特に朝は、スマホでニュースを読んでいる方が、社会人らしい(笑)

そんな中、この本は同僚から進められて読み始め、久しぶりに読了した。実は250ページほどの本にひと月近くかけてようやくなのでした。

江戸末期から、大震災くらいまでの、横浜山手の様子を、主に居留民たちの暮しを、記録と出版当時(1977年)、存命だったひとたちの思い出話で描写している。
神戸にも外国人居留地はあったが、ここまで詳細な下記物は読んだことが無かったので、重ね合わせると面白い。
山下町は海岸沿いの居留地、山手は北野の異人館街、中華街は南京町・・・と、ざっくりと似ている。
各洋館には「娘(=妾)」がいたんだそうだし、外国人のための遊郭もあったそうだ。「神戸学検定」の勉強をしていても、神戸のそういう裏歴史は出てこないが、事情が違うとも思えないので、神戸にも会ったのでしょうな。

意外だったのは、鉄道技師のエドモンド・モレル。彼は1870年4月に横浜に来たが、1872年10月の鉄道開業を待たず、1871年9月には29歳で亡くなっているのだそうな。29歳! そして、彼の身の回りの世話をしていた女性も後を追ったんだって。悲しいねぇ。

いろいろな文献には当たっているが、全ての記録が残っている訳でもなく、推測で書かれている部分もあるのが残念。まあ、読み物としてはアリかな。

2014.12.01

【読】 リタとマッサン (植松 三十里)

10330502_551733211611149_5722574514

久しぶりに読書です。東京に戻ってきてから、7月に万城目まつりで3冊を一気に読んだきり、実に半年ぶり。
朝の地下鉄の中では、スマホでニュースを読むようになり、帰りは飲んだくれ・・・。

この本も、実家に帰ったらとーちゃんが読み終わったところで「読んでみろ」と言われたもの。
調べてみると、この作家さん、歴史上の女性を取り上げた小説を多数書いている方で、この本も「マッサンとリタ」じゃなくて「リタとマッサン」なのでした。
朝ドラに「便乗」・・・、ってことは、ご本人もブログに書いているけど、単なるやっつけ仕事ではなく、前から温めていた題材で、何と3週間で書き上げたんだって。

マッサンと言えば玉山鉄二の辛気臭い顔が、リタと言えばシャロヤンのかわいらしい顔が、鳥居社長は堤真一、摂津酒造社長は西川きよしが思い浮かぶのは当然のこと、この作家さんの筆力もあって、大変読みやすかったですわ。

ちなみに、NHKの連ドラは「実在の人物をモデルとしますが、「ある日本人技術者と英国人妻の夫婦の人情喜劇」として大胆に再構成し、登場人物や団体名は改称し、羽原大介さん作のオリジナル脚本によりフィクションとしてお届けします。」NHKウェブサイトから)とあるように、フィクションな訳で、その辺の違いも面白いです。

例えば、「マッサン」という愛称はリタと出会う前から付けられていた、リタは第一次世界大戦で婚約者を亡くしていた、リタは病弱だった、マッサンの実家では温かく迎えられていた、マッサンは摂津酒造を辞めて教師をやっていた・・・等々。だから、先に読んでもネタバレにならない可能性もあって、その辺りは安心です。

近くに図書館でもあれば、しばらくはこの作家さんの小説をまとめて読んでみたいところだな。(買う気はないのね?>ぢぶん)

より以前の記事一覧