
23日、秋晴れの下、六甲全山縦走大会(全縦)に参加、無事56キロを完走。(走っちゃいけないので『完歩』が正しいのだろうけど、そもそも大会名も『縦走』だし。)
練習に付き合ってくださった皆様、いろいろとアドバイスを下さった皆様、用具や参考図書等を貸してくださった皆様、そして応援して下さった皆様、いろんな方に支えられての完走。この場を借りて深く深く感謝。
22日夜 晩ごはんはおにぎり1個とお餅2個を雑煮風に。なんちゃって「カーボローディング」。
夜8時半に布団に入り、とにかく暗くして、ココロ静かに仮眠。6時間うつらうつらして、23日2時半起床。
まずは食事。お餅の磯辺巻きを3個とおにぎりひとつ。VAAMを飲んで食事完了。
膝、足首など心配なところにテーピング代わりにシップを貼って、サポーターを巻き、あとりえSの吉田さんからお借りしたシャツ、パンツを重ね着。準備ができたら、ストレッチ。
ほどなく3時半、つねさの安岐さんのお友達のタクシーが迎えに来てくれる。須磨浦公園へ。
公園到着23日午前4時。既に列は敦盛橋のちょっと上まで100m程できている。前のグループの一人が受付まで見に行って「500人くらい並んでる。」ってことでした。

ストレッチしたり、おにぎり食べたりしながらスタートを待つ。
5時丁度受付開始、おいらは5時12分スタート。長い長い一日の始まり。

まだ暗い中、東の空が赤くなるのを眺めつつ黙々と歩く。
須磨浦公園の中の階段は結構きついが、行列ができていて、ゆっくりのペースでなのがありがたい。旗振山到着5:37。汗ばんできたので、ウィンドブレーカー代わりのゴア合羽と厚手の上着を脱いで、先を目指す。

下見の時には山頂まで行った鉄拐山も、巻道を廻り、おらが茶屋も通らずに高倉台へ降りる。かなり楽。
団地の中にも早朝からボランティアさんが「お静かに」のプラカードを持って誘導している。
栂尾山に登る通称「400階段」。一気に上るとかなりしんどいが、列がつながっているので丁度いいペース。「渋滞」と言うほどのイライラ感はない。

大分明るくなってきた横尾山。ほとんどの写真は歩きながらなので、暗いうちはぶれちゃってるのが多い。

須磨アルプス前で日の出。山でご来光を仰ぐなんて、ゲレンデを除けば(いや、ゲレンデではこんな早い時間に起きてないか)、20数年前の富士登山以来ではないかしら。

馬の背は数珠繋ぎ。それでも渋滞というほどではなく、写真を1,2枚撮っていると、列が進む、という感じ。
ちなみに、写真に何人か(実際は3人)見える黄緑色のウィンドブレーカーの方々はボランティアさん。暗いうちから、ここまで登ってきて誘導してくださっている。頭が下がる。

朝日を浴びながら今日最初の難所を歩く。

無事「馬の背」を歩き、妙法寺小学校で、この日初めて(で、結果的には最後の)トイレをお借りする。7:29。
下見のときに、ペースが判らずスタスタ歩いて、死にそうになった高取山の登りも、流れに乗って、30分ほどのゆっくりしたペースで難なく登頂、7:59通過。
普段の朝は、神戸名物・毎日登山のおじさんたちがビールを飲んでいる茶屋も、本日は縦走仕様。
「バナナ一本50円」の看板が立ち、下見の時にはいなかった若い売り子さんが営業中。

高取山を下り、丸山の街の中を苦労して歩く。結構、原付を飛ばす人が多い。住んでる人は毎日大変だろうな、この坂は。
鵯越(ひよどりごえ)駅を8:46に通過。鈴蘭台処理場の脇を抜け、菊水山への登り口。「苦しみに堪えるのもあなたの人生ですぞ」の看板。そのとおりなんだけど、『堪える』じゃなくて、『耐える』が正しいと思う。
前半の踏ん張りどころ、菊水山の登り。気づくと、頭の中で「1、2、3、4・・・」。リズムを取るのではなく、何故か歩数を数えるように。100まで行くとゼロに戻ってるので、結局、何歩なのか判らないが・・・。

最初のチェックポイント菊水山についたのが9:45。既に4時間半歩いているのだが、特に疲れはなし。
山頂に携帯用のアンテナが設置されているよしみか、docomoのおじさん、おねーさんがゴミ箱を設置して、キットカットと、縦走路でdocomoの電波が入る地点の地図を配っている。
下見では、ここで靴・靴下を脱いで、30分ほど休んだのだが、今日は立ったままで、おにぎりを一個お腹に入れ、10分の休憩で出発。

天王吊橋通過10:21。下の有馬街道は、紅葉シーズン、晴天の祝日ということもあってか渋滞。

大龍寺に降りてきたのが11:08。名物の豚汁1杯200円。眺めるだけにしておく。
ここには、サポート隊が何組か来ていた。大会事務局から斡旋されたホテルに泊まると、ここで昼食を渡されることになってるのだが、歩くペースによってはここじゃ困るよなぁ。

大龍寺から市が原にかけては紅葉がきれい。愛でつつ、歩きながら最後のおにぎりをぱくつく。さっきの豚汁と一緒に食べればよかったかも・・・という気持ちと一緒に飲み込む。

市が原到着11:20。ひと月半前の下見のときは13時過ぎだったせいか、もっと川原に人がいた気がする。

摩耶山への登り口。スタートから既に6時間以上、菊水山での10分間の休憩(しかも、立ったまま)で歩いてきてしまったのが失敗だった。
ただでさえキツイ稲妻坂、天狗道で、脚、特に、太ももの前側が悲鳴を上げ始める。筋肉が疲れてしまって刺すような痛み、このままだと攣っちゃう・・・?
登山道の脇に立ち止まり、リュックから吉田さんからお借りした「お助けポーチ」を取り出し、電解質フィルム「エンライテン」を口の中に含み、1分ほど様子を見る。酸っぱくないみやこ昆布がすっと舌の下で解けていく感じ。
この後は、ストック2本で体を支えて持ち上げるようにして岩をよじ登っていく。4,5分歩いては一旦立ちどまって、後ろの人をやり過ごし、再び歩き出す、といったペースで摩耶山山頂を目指す。

2つ目のチェックポイント、摩耶山の掬星台(きくせいだい)到着は12:50。
かなりゆっくり登ったつもりだったが、それでも下見のとき(2時間52分)よりも1時間以上早いペースで登ったことになる。そりゃ、脚も悲鳴を上げるわなぁ。完全にオーバーペース。
ここで、この日初めて腰を下ろし休憩。毎年恒例のホットレモンのサービスを頂く。温かくて、甘くて、酸っぱくて・・・。嬉しいなぁ、美味しいなぁ。「ホッとするからホットレモン」とガラにもないオヤジギャグ。
お代わりをして、空のペットボトルにも入れて貰い、30分ほど休憩。そうこうするうちに、太ももはかなり落ち着いてきた。
ベンチの隣には大学生らしき男の子。タイツの上から、痛み止めのスプレーを大量に膝に吹き付けている。顔は苦痛にゆがんでいる。明らかに膝をやっちゃった風。「いってーーよぉ、いってーよぉ」とうめいている。知り合いなら絶対に「よく頑張った、ここからバスで帰ろう。」って言ったと思うんだけど、さて、彼はその後どうなったんだろう。

そうこうするうちに、おいらは紅葉を見る余裕も出てきた。
13:15過ぎに掬星台、スタート。あれだけ人がいるのに、タイミングが悪く、アゴニー坂は一人旅。

アゴニー坂を下り、丁字ケ辻を目指す。
下見の時には縦走マップにある「三国池・三国岩経由」を歩いたが、今回は、標識を見ながら、サウスロード経由で歩いた。後で地図を見ると距離は長いが等高線沿い。途中からボードウォークを歩けることもあって快適。

実は,この週の初めに六甲は雪が降った。そのせいか、ぬかるみ道もあった。当然歩きにくいが、2週間前の1回目の大会は、道中、ずっとこんな感じだったんだろうなぁ。

丁字ヶ辻を抜ける。ここは、いつ来ても(っても2回目だけど)下からの車のタイヤがゴム臭い。
記念碑台までは車道を歩く。六甲山郵便局前では、「ゴールしたら温まってください」とお巡りさんが入浴剤を下さった。

そして、有名な郵便局さんの甘酒の振る舞い。温かくて、濃くて、美味しかったですわ。生き返りましたねぇ。

摩耶山の登りであんなに辛い思いをしたのが嘘のよう。景色を見るゆとりすらありました。この頃は「あまちゃんのテーマ」が頭の中でグルグル回っていたかな。何でだろう?

下見の時には道を間違えてオルゴールミュージアムの方に上がってしまい、通ることのなかった登六庵。カレーが有名らしいが、もちろん、この日はスルー。

ゴルフ場の中、ボールの直撃を防ぐためフェンスで囲まれた道を歩く。
この神戸ゴルフ倶楽部は1903年、イギリス人貿易商A.H.グルームによって造られた日本最初のゴルフ場。(これ、神戸学検定に出ます。)

みよし観音。下見の時には、道に迷って折れていたココロを優しく癒してくれた観音様。今日はあっという間についた。この後の道中の無事を祈る。

六甲ガーデンテラス。下見の時には記念碑台から45分かかったのに、この日は23分と半分の時間。
事前に送られてくるパンフレット「神戸のエスプリ」や「六甲全山縦走マップ」では、このガーデンテラスが「最後の決断の場所」と書かれている。公共交通機関で下山できる最後のポイントになる(有馬に降りるロープウェイが使える)のだ。
ずいぶん脅かされていたが、この日は快調そのもの。見晴らしから景色を見る余裕さえあって、休憩も取らず、先へ急ぐ。

この先、下見の時には山道を歩いたけど、今日は車道。上り下りはないけど距離的には長い。
また、かなりの人のブログに「疲れの出てきた後半にアスファルトの道は脚にくる」と書いてあったが、きっと重い登山靴を履いている人なのだと思う。おいらの靴は街中もしばしば歩いているので問題なし。
できるだけ吹き溜まっている枯葉の上を歩くようにしていた。多分、そのほうが膝に優しいはず。

ちゃっかりと豚汁を売ってるクルマ発見。おいらが見ている間には利用する登山者はいないようだったが。。。
ちなみに、この頃は、「つねさ第2応援歌」1番がひたすら頭の中でリフレイン。

六甲最高峰931mは縦走ルートからはずれるのでパスする。40キロ歩いてきた脚には、このちょっと、ほんの2,3分の登りがないのがありがたい。その分、道路からの景色を楽しむ。

一軒茶屋到着。昨年11月、芦屋川から有馬温泉に単独行したとき、立ち寄った茶屋に「全山縦走」のバッチが売ってた。当時はピンとこなかったけど、今なら欲しいだろうな。でも、今日はスルー。

最後のチェックポイント一軒茶屋、15:35。779人目の通過だそうな。500番くらいからのスタートとすれば、かなりの人数に追い越されていることになる。ま、完走目的の、走っちゃいけない大会なので、順位なんてものは気にしない。

下見の時には登った鉢巻山は、トンネルを通過。あっという間。

東六甲分岐到着は15:52。下見の時は見落としそうになった山道の入口、今日はテントが張られ、ボランティアさんが数名。
ここから先、宝塚・塩尾寺までは本当に山の中を歩くため、リタイヤできる(=何とかタクシーが呼べる)ポイントが無く、真の最後の決断の場所だが、体調もすこぶるいいし、、まだ、明るいし、何のためらいも無く通過。宝塚まであと12キロ。

暗くなり始める宝塚への下り。ボランティアさんが要所要所で照明を用意してくれている。

暗闇をヘッドライトとともに歩く。ときおりボランティアさんが声をかけてくれる。最終赤鬼通過までずっとここにいるんですよねぇ。ありがたいことです・・・、「お疲れ様! 頑張って!!」の声に「ありがとうございます。」と応えたら年配のボランティアさんから「ニッコニコしてるね。」とさらに声をかけられた。だって、嬉しいし、楽しいんだもん。

ヘッドライトの灯りを頼りに歩くこと45分ほどで塩尾寺到着。17:55。

大阪方面?の夜景がきれいでした。最後の最後までストックを使いながら、急な車道をいいペースで降りていく。この辺では、もう何も考えてなかったかなぁ。カッコ良く言えば「無心」かな。

宝塚到着・・・、と思ったらゴールの前に最後の難関・階段が待ってた。駆け上るとまではいかないが、足取り軽く登っていく。

そして18:26、ゴール!!
須磨浦公園を歩き始めてから13時間14分。14~5時間で歩ければ、と思っていたので、自分的にはでき過ぎ。何よりも、膝、足首等の関節の痛みが出ず、用意していた痛み止めの出番がなかったのがありがたかった。

宝塚温泉で汗を流し、運動後のストレッチ。阪急宝塚駅前では、地元宝塚のボランティアさん、甲子園大学の学生さんが拍手で迎えて下さり、豚汁などを振る舞って下さる。
兵庫県のマスコットキャラ「はばタン」とのツーショット。

準備段階では不安だらけだったけど、いざゴールしてみると、楽しさだけが残っている。
人生最長の56キロを完走し、「やればできる!」という自信が出てきたのはありがたいこと。
当選通知からの2ヶ月ほど、久しぶりにドキドキワクワクできたなぁ。
家を出てから帰るまで、トータルの歩数は69、398歩、よく頑張った>膝
